1. 食品表示ラベルの作り方|8つの手順
食品表示ラベルは、次の順番で進めると作り直しを減らせます。表示内容と印刷仕様を一度に決めようとせず、まず原稿を確定し、その後にサイズ・素材・印刷方法へ進むのが基本です。
- 商品区分と販売方法を確認する
加工食品か生鮮食品か、容器包装された商品か、販売先や販売形態は何かを整理します。 - 必要な表示項目を確認する
名称、原材料、添加物、内容量、期限、保存方法、表示責任者、アレルゲン、栄養成分など、商品に必要な項目を確認します。 - 表示原稿をお客様側で確定する
文章、数値、多言語表記を確定し、必要に応じて所管行政機関や専門家へ確認します。 - 固定情報と可変情報を分ける
商品ごとに変わらない情報と、賞味期限・ロット番号・SKUごとに変わる情報を分けます。 - 本体印刷か別シールかを決める
包材へ直接印刷する範囲と、原材料シール・成分表示シールとして後から貼る範囲を決めます。 - 容器と文字量に合わせてレイアウトする
貼付面、曲面、余白、文字量を確認し、一括表示を読める大きさへ整えます。 - 素材・糊・印字方法を選ぶ
常温、冷蔵、冷凍、結露、手書き、サーマル印字などの条件から仕様を絞ります。 - 校正で内容と印刷状態を確認する
文字、数値、改行、言語、貼付位置をお客様側で最終確認し、必要に応じて実物容器で貼付テストを行ってから印刷します。
重要:印刷会社が確認できるのは、文字が印刷できるか、表示面に収まるか、読めるレイアウトになっているか、用途に合う素材かという範囲です。表示内容そのものの正しさや法令適合性は、お客様側で確認・確定してください。
2. 食品表示ラベルの記載項目を確認する
食品表示に必要な項目は、食品の区分、販売方法、容器包装、商品の特性によって異なります。以下は一般用加工食品で確認する代表的な項目であり、すべての商品へ一律に当てはめるものではありません。
原稿を作る前に確認する代表的な項目
- 名称
- 原材料名・添加物
- 内容量
- 消費期限または賞味期限
- 保存方法
- 製造者・販売者など表示責任者
- 原料原産地表示
- アレルゲン表示
- 栄養成分表示
商品に必要な表示事項と記載方法は、消費者庁の食品表示法・食品表示基準や、最新の事業者向け資料を確認してください。当社は表示文章の作成や法令判断は行わず、確定した原稿を印刷仕様へ整えます。
アレルゲン表示は2026年4月1日の改正内容を確認する
2026年4月1日にカシューナッツが特定原材料へ追加され、特定原材料は9品目となりました。2年間の経過措置がありますが、可能な限り速やかな表示対応が案内されています。原稿を作る際は、消費者庁の食物アレルギー表示に関する最新情報を確認してください。
栄養成分表示は数値の根拠と表示単位をそろえる
基本となる5項目は、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量です。100g当たり、1食当たり、1包装当たりなど、どの単位で表示するかも原稿段階で決めます。合理的な推定値を使う場合は、表示方法と根拠資料の保管を含め、消費者庁の事業者向け栄養成分表示ガイドで確認してください。
賞味期限・消費期限は後から入れる方法も考える
期限表示は商品特性に合わせて確定します。一般には年月日で表示しますが、賞味期限が3か月を超える食品では年月表示が認められる場合があります。固定印刷するか、手書き・スタンプ・プリンター印字で後から入れるかも、この段階で決めます。
文字量が表示面に収まるかを早めに確認する
表示内容が確定したら、容器の貼付面へ収まるかを確認します。文字量が多い時は、すぐに文字を小さくするのではなく、ラベルサイズを広げる、貼付位置を変える、役割ごとにシールを分ける方法も検討します。瓶やカップの曲面では、平面上で収まっていても端が浮いたり、文字が回り込んで読みにくくなったりするため、実物容器での確認が有効です。
3. 一括表示・原材料シール・成分表示シールの作り分け
すべての情報を一枚へまとめる方法と、原材料・栄養成分などの役割ごとにシールを分ける方法があります。呼び方だけで決めず、何を載せるシールなのかを明確にします。
一括表示ラベル
名称、原材料、内容量、期限、保存方法、表示責任者などを、枠内へまとめて配置する方法です。原稿を作る時は、項目名と内容を表や段落で整理し、印刷時にどこで改行するかを決めます。
原材料シール
既存の包材や正面ラベルはそのまま使用し、原材料名、添加物、アレルゲンなど、変更しやすい情報を別シールにする方法です。小ロットや原材料変更が多い商品では、包材全体を作り直さずに済む利点があります。
成分表示シール
栄養成分表示だけを独立させる方法です。既存パッケージへ成分表示を追加する場合や、商品ごとに数値が異なる場合に使われます。表示単位、数値、推定値表記などを確定した原稿で支給してください。
中国語など多言語の食品表示ラベル
中国語や英語など、多言語の食品表示ラベルも印刷できます。支給された確定済み原稿をもとに、文字量、改行、余白、使用フォントを確認し、印刷用レイアウトへ整えます。
多言語原稿で事前にご用意いただくもの
- 中国語・英語など、内容を確認済みの確定原稿
- 使用言語と、簡体字・繁体字などの区分
- AI、PDF、Word、Excelなどの支給データ
- 現地で必要となる表示内容を確認できる担当者
当社では、支給原稿の印刷、文字化けを避けるためのフォント確認、表示面へ収めるレイアウト調整は可能です。ただし、翻訳、外国語の文章作成、表示内容の決定、各国法令への適合確認は行っていません。校正時は、その言語と表示内容を確認できる方に最終確認をお願いします。
4. 固定情報と可変情報、本体印刷と別シールを分ける
確定した原稿をすべて固定印刷する前に、後から変わる情報がないかを確認します。情報の変更頻度によって、本体へ直接印刷するか、別シールで運用するかの判断が変わります。
固定情報と可変情報の例
- 固定しやすい情報:商品名、基本配合、保存方法、表示責任者など
- 変わりやすい情報:賞味期限、消費期限、ロット番号、原材料の一部、栄養成分値、輸出先ごとの言語など
原材料や栄養成分が変わる可能性のある商品では、ブランド面は固定し、表示部分だけを別シールへ分けると改版時の資材ロスを抑えやすくなります。日付やロットだけが変わる場合は、固定印刷したラベルへ手書き欄や後印字欄を設ける方法もあります。
本体印刷が向くケース
- SKUが少なく、表示内容の変更がほとんどない
- ブランド面と表示面を一体で見せたい
- 一定ロット以上をまとめて生産する
別シール運用が向くケース
- 小ロット、多品種、季節限定など改版が多い
- 包材を共通化して、表示だけ差し替えたい
- 賞味期限やロット、成分表示の差し替えが頻繁に発生する
- 表示面積が小さく、本体印刷だけでは整理しにくい
商品ページで運用イメージを確認する
原材料・一括表示などを別シールで運用したい場合は食品表示ラベル・食品表示シール、商品名やロゴを見せる正面ラベルは食品ラベル、冷蔵・冷凍環境を前提にする場合は冷凍シール・冷蔵シールを確認してください。
用途別の食品ラベルを確認する
表示だけを別シールにするのか、食品パッケージ全体の見え方まで整えるのかで、選ぶ商品ページが変わります。
運用方法を判断する早見表
| 条件 | 本体印刷向き | 別シール向き | 自社サーマル向き | 印刷会社相談向き |
|---|---|---|---|---|
| SKUが少なく、改版頻度も低い | ○ | △ | △ | ○ |
| SKUが多く、包材を共通化したい | △ | ○ | ○ | ○ |
| 日付・ロットなど可変情報が多い | × | ○ | ○ | △ |
| 冷蔵・結露・耐水性が必要 | △ | ○ | × | ○ |
| ブランド面の見え方や可読性を優先したい | ○ | ○ | △ | ○ |
| 表示面積が小さく、情報整理が難しい | △ | ○ | × | ○ |
5. 小ロット・手書き・サーマル印字の運用
食品表示ラベルは、一度作って終わりではありません。原材料変更、規格変更、季節限定、内容量違いなどが発生するたびに、どこまでを固定印刷し、どこを差し替えるかが実務上の論点になります。ここで運用の設計を誤ると、包材在庫のロス、改版のたびの作り直し、表示差し替え漏れ が起きやすくなります。
小ロットで固定印刷が重くなる場面
立ち上げ初期の商品やテスト販売では、いきなり大量印刷すると、表示内容や規格が変わった時に包材ごと使えなくなることがあります。特にSKU数がまだ定まっていない商品は、ブランド部分を固定印刷しても、表示面だけは別シールにしておいた方が在庫ロスを抑えやすくなります。
改版が多いと在庫ロスが出る理由
原材料や成分値の変更が起きやすい商品では、パッケージ全体を固定印刷していると、わずかな修正でも印刷済み資材を抱えることになります。表示内容の変更頻度が高い場合は、Illustrator等の完全データを毎回更新するより、可変部分を逃がせる運用 を先に決めておいた方が、改版時の負荷とミスを減らせます。
可変情報が多い時に自社運用が楽なケースと崩れるケース
日付やロット番号を毎回変えるなら、固定印刷と可変印字の併用は現実的です。単色表示で十分で、日々の出荷に合わせてその場で印字するだけなら自社サーマル運用は強い方法です。一方で、表示項目が多い、レイアウトが複雑、耐水性や見た目も重視したいとなると、自社印字は楽でも、貼付工数や読みやすさの面で崩れやすくなります。
賞味期限やロット番号を手書きする場合は、印刷データ上に十分な記入欄を設け、実際に使うペンで試してください。紙系素材は書きやすい傾向がありますが、ユポなどのフィルム系素材は筆記具を選びます。手書き、常温、冷蔵、結露を含めた素材の考え方は、シール素材の種類と選び方で確認できます。
別シールに逃がすと運用が楽になるケース
同じ包材を複数商品で共通化したい時、表示面積が不足する時、小ロットSKUが多い時は、表示情報だけを別シールに逃がすと運用が安定しやすくなります。ブランド面のデザインを守りつつ、変更が多い表示だけ差し替えられるため、改版時の手戻りや資材ロスを抑えやすいのが利点です。
自社印字と印刷会社を使い分ける
日付やロットが毎日変わり、単色表示で十分な場合は、自社のラベルプリンターやサーマル印字が向きます。一方で、原材料や栄養成分の文字量が多い、複数SKUで体裁をそろえたい、冷蔵・冷凍や結露がある、小ロットでも仕上がりを安定させたい場合は、印刷会社へ相談した方が進めやすくなります。
ここまで整理できれば、表示内容をどの方法で運用するかの方向性はかなり見えてきます。次に、自社印字で回すべきか、印刷会社へ依頼した方が安定するかの判断基準を整理します。
6. 素材を選び、印刷前に確認する
食品表示ラベルは、表示内容だけでなく、貼る容器と使用環境に合う素材・糊を選ぶ必要があります。同じ原稿でも、常温の紙袋、冷蔵パウチ、冷凍容器、瓶の曲面では適した仕様が異なります。
紙素材が候補になるケース
- 常温で使用し、水濡れや結露が少ない
- 賞味期限やロットを手書きしたい
- 短期間の使用で、耐水性を優先しない
ユポなど耐水系素材が候補になるケース
- 冷蔵・冷凍で結露や水滴が発生する
- 瓶・パウチ・トレーなどで擦れや水濡れがある
- 紙がふやける、破れる、剥がれる不安がある
耐水性が必要な場合は、素材だけでなく、貼る時の温度、容器材質、結露、糊の種類も確認します。詳しくはシールが剥がれる原因と対策、ユポシールの特徴と選び方をご覧ください。
印刷会社へ渡す情報
- お客様側で確認・確定した表示原稿
- 現在使用しているラベルや印刷データ
- 容器の材質・サイズ・貼付位置が分かる写真
- 常温・冷蔵・冷凍などの保管条件
- 結露、水濡れ、油分、擦れの有無
- 必要枚数、SKU数、改版頻度
- 賞味期限・ロットを手書きまたは後印字するか
- 多言語原稿の場合は、言語と内容を確認できる担当者
校正で確認すること
印刷前の校正では、名称、原材料、数値、期限、アレルゲン、表示責任者、改行、文字化け、多言語表記をお客様側で確認します。印刷会社側では、仕上がりサイズ、文字の欠け、画像解像度、印刷可能な線幅、素材・糊などを確認します。法令内容と言語の正しさまで印刷会社が保証するものではないため、役割を分けて最終確認することが重要です。
確定原稿から食品表示ラベルを印刷する
日本語・中国語などの確定原稿、容器写真、必要枚数をご支給ください。表示面に合わせたレイアウト、素材、糊、納品形態を整理します。
7. 食品表示ラベルに関するよくある質問(FAQ)
Q1:表示内容がまだ固まっていなくても相談できますか?
A:容器、表示面積、保存環境、本体印刷と別シールの使い分けなど、印刷仕様は内容確定前でも相談できます。ただし、当社は食品表示の文章作成、翻訳、法令適合性の確認は行っていません。表示内容は所管行政機関や専門家への確認を含め、お客様側で確定してください。
Q2:サーマル印字と印刷会社への依頼はどう使い分ければよいですか?
A:日付やロットの変更が多く、単色表示で十分ならサーマル印字が向きます。耐水性、見え方、可読性、ブランド表現まで重視する場合は印刷会社へ依頼した方が進めやすいです。
Q3:冷蔵・冷凍商品でも紙素材で対応できますか?
A:短期運用や乾いた環境であれば対応できる場合もありますが、結露や水滴、擦れが発生する場合は紙素材だけでは不安定になることがあります。その場合はユポなどの耐水系素材や糊の見直しを含めて検討します。
Q4:小ロットや改版が多い商品でも依頼できますか?
A:はい。固定印刷、別シール、サーマル印字併用など、商品数や変更頻度に合わせて進め方を提案できます。
Q5:原材料シールや成分表示シールだけでも作成できますか?
A:はい。お客様側で確定した原稿をご支給いただければ、ブランド面は既存包材のまま、原材料名、栄養成分表示、アレルゲン、期限などの表示部分だけを別シールとして印刷できます。
Q6:中国語など多言語の食品表示ラベルを印刷できますか?
A:はい。中国語や英語など、支給された確定済みの多言語原稿をもとに印刷できます。当社で文字量、改行、余白、使用フォントを確認して印刷用レイアウトへ整えることはできますが、翻訳や表示内容の作成、各国法令への適合確認は行っていません。
まとめ|原稿確定から印刷まで順番に進める
食品表示ラベルの作り方は、表示項目を埋めるだけではありません。表示原稿を確定し、固定情報と可変情報を分け、容器と運用に合うレイアウト・素材へ落とし込む必要があります。
- 表示内容:最新の公式情報や専門家を確認し、お客様側で文章・数値・多言語表記を確定する。
- 運用方法:本体印刷・別シール・手書き・サーマル印字を、変更頻度に合わせて分ける。
- 印刷仕様:容器、表示面積、常温・冷蔵・冷凍、結露、必要枚数に合わせて素材・糊・サイズを選ぶ。
美濃屋加工紙では、確定原稿をもとに、日本語・中国語などの食品表示ラベルを印刷できます。文章作成や翻訳は行いませんが、容器へ収めるレイアウト、素材、糊、小ロット・多品種の印刷方法はご相談いただけます。